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市ヶ谷モジュール、試作タイプの稼働間近!【市ヶ谷モジュール開発記vol.8】

 2025年の日本は、7月を待たず西日本は梅雨明けし、以降、日本各地で連日の猛暑日が続いています。これが地球温暖化の影響であるのは、もはや言うまでもありませんが、一方で世界はさまざまな対立とこれに起因した紛争、戦争とでもちきり、とにかく穏やかでありません。もちろん温暖化対策などほとんど話題にもなりません。しかしながら、草の根ではこの問題に向き合っている人たちもいます。
 市ヶ谷モジュールの発表から、3ヶ月あまりの月日が経ちました。以来、ありがたいことに、この技術に興味を持たれた方々からいくつかご連絡をいただいております。少しずつですが、地球のCO2削減に向けて動き出せていると思うと、その期待感に胸が高ぶるのを抑えることができません。
 発表からの間、私たちもこの技術をより多くの方に紹介できるよう、日々、邁進中であります。今回は、その中でも実際に市ヶ谷モジュールの技術によって作られた分離膜が、実際に稼働している様子をご覧いただくべく試作しているモジュールについて紹介したいと思います。こちらの試作モジュールは、9月に完成、分離実験開始予定です。
 試作モジュールには0.4ミクロン以上の粒子を通さないMF膜(精密ろ過膜)を使用しています。供給水容器には着色水を入れ、供給水容器と圧力容器との落差による圧力により圧力容器の中にセットした試作モジュールで着色水を分離します。
 供給水は0.4μより少し大きな顔料で着色しているため、分離水容器には分離膜を透過した透明な分離水が溜まり、濃縮水容器には顔料が濃縮された濃い着色水が溜まります。濃縮水と分離水はポンプによりくみ上げられ、供給水容器に戻され連続して分離します。
 今回は、わかりやすいように着色水の分離実験を行いますが、CO2の場合でもCO2分離用の分離膜を使用したモジュールを使用し、気体分離用の実験装置に変更して使用すれば、同様の実験が可能です。
こちらの装置の中心にあるのが、市ヶ谷モジュールの技術によって作られた分離膜モジュールです。従来の分離膜と比べても、その形態が異なるのがわかると思います。
 この容器の中に、ロール型モジュールが内蔵されることになります。ちょうど、トイレットペーパーを縦に置いたような感じをイメージしていただければと思います。この装置及び、モジュール自体の“コンパクトさ”は、従来の分離膜をご存知の方ほど驚いていただけるのではないでしょうか。
 本格的な夏に突入し、今年も例年のような厳しい暑さが列島各地を覆っています。そんな中で、私たちはこの技術が世界に広まっていくよう、目指していきたいと思います。

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