カタールで行われているサッカーワールドカップ2022。日本代表は、戦前の予想では厳しいとされていたグループリーグにおいて、ドイツ代表、スペイン代表といった強豪を撃破し、1位通過を果たしました。
サッカー日本代表の歴史において、未だ突破できていないベスト16の壁として今回立ちはだかったのはクロアチア代表。試合は前半に日本が前田選手のゴールで先制するものの、後半に1点返されると緊迫した試合が続き、延長戦にまでもつれ込みました。そして、ここでも決着はつかず、PK戦で惜しくも涙を呑むこととなりました。
今回の日本代表の戦いはわたしたちに多くの感動を与えてくれましたが、印象的だったのは「わずかな差」が結果を大きく変えるということでした。運に大きく左右されるようなPK戦での結末というのももちろんですが、スペイン戦での逆転ゴールのシーンが特にそれを象徴しているように思います。三苫選手のラストパスは、一見するとその前にタッチを割っていたかに見えましたが、ビデオで確認するとわずか数ミリだけラインを超えておらずインプレーの判定となり、ゴールが認められました。
この、わずかな差がどうして生まれたのか。それは、代表選手、監督、スタッフがチーム一団となって努力した結果というのは当然ですが、私たちの応援の結果だったともいえると思います。
私は、2日早朝のスペイン戦のテレビ観戦を、テレビの音量をあまり上げずに迫力ある観戦、静かな応援ができるように、試用中の補聴器を最終調整のために赤羽の補聴器専門店を訪れて、その調整を終えると午後5時すぎに電車で浮間舟渡の本社に戻りました。そのとき私は埼京線下り電車に乗りましたが、帰宅ラッシュが始まる頃で座席は空いておらず、当然ながら沢山の乗客が車内にはいました。このとき、私は同じ車両に乗っていた多くの人たちに「わずかな」影響を与えているといえます。
私はA氏に影響を与え、A氏が東京駅で電車を降りるタイミングが本来より1秒遅れる。A氏は東京駅でカタールにいるサポーターC氏の友人であるB氏とすれ違い、B氏に影響を与える。その影響でB氏は本来より3秒早く試合会場のC氏にメールし、C氏はトイレでそのメールを受信する。メールを早く確認しようと、本来奥の小便器を使用するはずだったが入口に近い小便器に向かう。といった感じです。
さて、この影響の連鎖はどこまでつながっていくでしょうか。続きを見ていきましょう。
スペインのサポーターのD氏は入口に近い小便器がふさがっていたので奥の小便器を利用し、2秒遅れる。2秒遅れてトイレから出たD氏は知り合いのスペインのコーチのE氏とすれ違い、30秒間立ち話をする。E氏は後半に交代に入ったF選手と本来より4秒遅く打ち合わせを始め、6秒遅く終わる。F選手は試合前トイレに入ろうとしたが、6秒の違いで手前の個室がふさがったので奥の個室に入る。入った個室ではトイレットペーパーの残りの量が少なく、それに気を取られF選手は少し長く個室にとどまり、本来より0.8グラム多く排出する。つまりF選手の体重が単純に0.8グラム軽くなった。F選手の体重が80キログラムとすると(十万分の1)体重が軽くなったことになります。
本来、東京からカタールの会場にいるC氏に3秒早くメールが入った後は、C氏が周りの人にこのような水面下の微小な影響を与えることになって、あっという間に会場周辺の人に水面下の影響を与えてしまうことになりますが、奇跡的に私が補聴器専門店を訪れたことによる影響は後半から登場するスペインの控えのF選手の体重が0.8グラム軽くなっただけにとどまることにします(試合開始時の選手の立ち位置に1ミクロンでも影響を与えたならば1ミクロンのズレの影響が拡大し、その後の選手の動きは全く違ってくることは前回のワールドカップの予選で埼玉スタジアムの1人の観客が及ぼした影響について「思考実験」の本にも記載しています)。
たとえ控えにいたとしてもF選手の体重の増減は試合展開に影響を与えてしまいますが、この影響もなかったとします。したがって私が補聴器専門店を訪れた影響は前半戦の試合展開には全く影響はなく、F選手が入った後半から始まります。なお、(十万部の1)体重が減っても、減った分は全くの不要物であり、F選手の筋力には全く影響がなく、加速性能が(十万部の1)向上したことになります。
後半開始後、F選手の加速性能が(十万部の1)良くなった影響が少しずつ拡大してゆくと、その影響が拡大して、あの逆転ゴールのシーンにつながっていきます。
堂安選手がボールの蹴った角度が(100分の1度)深くなり、三笘選手が蹴る位置が2ミリ上がり、結果、ボールはラインを割ることはなく、田中選手がゴールを決めることになった。
このようにして私の応援の思いによる半日前の行動が、三笘選手の蹴る位置に数ミリの差をもたらしスペイン戦の勝利、1位通過につながったともいえるのです。
応援すれば必ず結果は変わる。ただしプラスに働くかマイナスに働くかはほぼ半々なのが辛いところです。PK戦において南野選手が逆に蹴っていれば、その後の流れは大きく変わったかもしれませんし、その選択をさせてしまったのは、私の応援のせいともいえるからです。
「たとえテレビの前であっても、みんなの応援は伝わっている」
試合後のインタビューなどで、森保監督をはじめ、キャプテンの吉田選手やベテランの長友選手らがそう口にしていた印象があります。それは確かに伝わっているのです。