地球温暖化、パンデミック、核の脅威、格差、少子高齢化……。
21世紀前半の人類社会は、急速な発展の影において生み出された膨大な問題に、否応なく直面させられていた。発展を追い求めるがゆえに、これまで当たり前のように未来の人類たちから借りてきていた膨大なツケ。それを支払うために人類は、最先端のテクノロジーと人類文明が記録し、蓄えてきた知恵を駆使し、悩み、争い、決断し、行動する。
核保有国に核兵器を放棄させる方法。
世界規模のパンデミックに対抗する技術。
少子高齢化や格差問題を解決する制度。
宇宙からの驚異に対処する発想。
…………。
近い未来、人類が継続的な繁栄を紡いでいくために何に迷い、どう考え、答えを見出すのか。その渦中にはどのような混乱が待ち受けているのか。
そして、その逡巡と決断の先にある人類が到達する地点にひろがっている風景とは。
――私たち人類は、この宇宙においてどのような存在なのか。
そんな茫漠とした問いかけに、人類は答えるべきときが近づいている。