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vol.3『空調フェイスシールド™』実地テスト報告

※空調フェイスシールド™は、フィルターを装備したファンユニットによってフェイスシールド内を清浄にして快適に過ごすことのできる密閉型陽圧式フェイスシールドです。汚染された空気は吸気用フィルターによりろ過され、シールド内部の空気は呼気用フィルターを通して排出されます。

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小児科クリニックにおける感染対策の苦労と課題

 今回、テストにご協力頂いたのは、愛知県内で開業されている小児科クリニックのS医師と看護師の皆様です。風評被害などが懸念されるため、匿名でよければという条件でテストとその経過報告を公開することをご了承いただきました。

【実地テストの概要】
・テスト開始日:2020年12月3日(木)
・使用された現場と使用環境:小児科クリニックの隔離室(抗原検査の検体採取において)
・使用した人数:医師1人,看護師4人(2021年1月7日現在)

 小児科クリニックには、主に乳幼児や児童が診断のために保護者とともに訪れます。新型コロナウイルス感染症が拡大している現状では、診断や検査、投薬などの医術行為はもちろんのこと、来院にもリスクがあると考えられます。
安心してクリニックを運営していくために、現場においてさまざまな対策、工夫がなされています。
 院内における感染対策は、患者様やその保護者のためであると同時に、現場で働く医療従事者のためにも必要不可欠です。対策の基本はたとえ医療現場であっても、マスクの着用や3密の回避、手洗い・消毒などの、基本的な対策の徹底であることはいうまでもありません。
 このような感染対策は大人ならば気をつけて対策ルールを守ることもできますが、乳幼児をはじめ子どもには難しいことでもあります。特に体調具合の悪い幼い子どもたちは疎かにしがちですし、抗体検査で鼻の奥を綿棒で拭ったり、注射などを行う際には泣き出してしまったり、暴れだしたりする子どももいらっしゃると思います。そんな幼いお子様方に感染対策のルールを徹底させることは難しいことです。ただ、当たり前ですがウイルスは幼い病人だからといって見逃してくれるわけではないので、何かしらの対策が必要でありました。

S医師が「空調フェイスシールド™」を知ったのは、インターネットでその対策に使えるような「大きなフェイスシールド」を探していたときだそうです。
スタッフを、検査の際に発生する飛沫やエアロゾルから護るために、当初は、検査を受けて頂くお子様の顔に、ヘッドボックスのような物を被せて検体採取する事を考えていたとのことですが、使い勝手の良い物が見つからず困っていたそうです。
また、暴れるお子様にヘッドボックスを被せるのは、火に油を注ぐ様な物で、さらに大暴れする事になりそうだと困っていたところ、「空調フェイスシールド™」を偶然見つけたとのことです。「これなら、自分達の方で装着すれば、お子さんに負担を掛けずにすむ。」と思ったそうです。

 新型コロナウイルスなどの抗原検査の検体採取の際には、飛沫やエアロゾルが発生します。検体採取に直接関わるスタッフを出来る限り護りたいと考えたことが、「空調フェイスシールド™」を「試作品でも構わないので、ぜひ借りて使わせてほしい」と、要望された背景にあったようです。

試作「空調フェイスシールド™」の使用感と改善点について

現在、試作「空調フェイスシールド™」はこちらの小児科クリニックの実際の現場において、試験試用されています。
新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス、RSウイルスやヒトメタニユーモウイルス、泣き叫ぶお子様の採血時などに飛沫やエアロゾルからスタッフを護る目的で使用されており、試用から5週間余りが経ちました。
 実際に使ってみての使用感や改善点など、S医師より現場の声を伺いました。

・使用感と小児科クリニックにおける現場の感想
院長から伺った話によると、スタッフからは、「N95マスクと保護メガネで検査に望むより、顔が全体的に覆われるため、安心感が高い。」と評価されたそうです。
院長ご自身からは、「ここまで5週間ほど使わせて頂いた上での使用感ですが、私自身は、この『空調フェイスシールド™』は扱い易く、とても有用なツールだと思っています。特に、行動を自制できないお子様や障害のある方や認知症のある老人などに相対する場合には強力な保護具になると思っています。心理的な不安感が軽減します。
また、空調システムのお陰で、曇りはほとんど発生しません。敢えて問題点を挙げれば、眼鏡を掛けているスタッフには少し装着し辛い点です。しかし、今後、眼鏡に対応する様に改良されると伺っており、期待しています。」とのコメントをいただいております。

・空調フェイスシールド™の課題箇所 今後の希望や改善要望など
 普段、眼鏡を掛けたスタッフが、眼鏡を掛けたままで使用しやすい様に改良して頂きたいです。横を耳の近くで受ける様にすれば、眼鏡を掛けたままでも使いやすい気がします。
 吸気側がN95フィルター越しに、その上から、ファンで強制的に空気を送り込むため、「フィルター部分はN95のみで大丈夫か」という不安があります。価格は上がってしまうかも知れませんが、現状のフィルターに加えてバイオ抗体フィルターなどを一層かませると使用する側も安心して使えるのではないかと思います。

医療現場の最前線に従事する方々のお声は、何よりのご意見です。S医師には深く御礼申し上げます。これらの貴重なご意見をよりよい形で汲み取り、応援と励ましの声とすることで、安全でより使いやすい完成品「空調フェイスシールド™」を一日も早く現場に届けられるよう邁進してまいります。

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