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俯瞰で考える地球温暖化

 ニュースなどでは地球温暖化は温室効果ガスが原因と語られるのが一般的ですが、地球温暖化の仕組みを考えてみれば様々な要因が関わっていることがわかります。正確には温室効果ガスはその一因ということになります。私はまず、温室効果ガスの性質と地球温暖化の仕組を改めて整理してみることからはじめました。
地球の温度は、いうまでもなく太陽のエネルギーによって保たれています。宇宙から飛来する太陽光エネルギー(主に赤外線)が大気に吸収され、次に地表に吸収され、地表で吸収されず反射されたエネルギーが再び大気や雲などに吸収され、それでも吸収されなかった残りのエネルギーは再び宇宙に放出される。簡単にいってしまえばこのような仕組みです。太陽からは常にエネルギーが注がれているのですから、それを全て吸収しているならば地球はどんどん暑くなってしまいます。一定温度でバランスよく保たれているということは、地球に注がれたエネルギーと同じくらい宇宙にエネルギーを反射しているということになります。
 温室効果ガスと呼ばれるものは、太陽光エネルギーの吸収率が自然な大気より高いためにそう呼ばれるわけです。ただ、その仕組みを俯瞰して考えるならば、何も温室効果ガス量を調整しなくても、他の部分を調整できるならば理論上は地球温暖化防止の策となり得ます。そこで私は、温室効果ガスではなく、このエネルギーの反射量をどうにか調整できないかを考えてみました。
暑がりだった私は、学生時代に使っていた帽子用の白いカバーを思い出しました。太陽光が強い夏の服装は、太陽光を反射する白い服を着ることが多いと思います。反対に誰もが、夏場に黒いシャツを着ている人を見ると「暑くないのかな」なんて思ったりすると思います。黒色は全ての光を吸収しているから黒く見えるのであって、その吸収した光は温度に変わります。だから暑くなる。黒いシャツは温室効果ガスと似たような性質を持っていることになります。
 では、宇宙から地球を見てみるとどうでしょうか。青くて美しいですね。これは地球表面の約7割を占める海表面が青い光を反射しているからです。一方、ところどころにかかった雲は白いです。曇り空の日は太陽光が遮られるので気温が下がるのは当たり前のことですが、いうまでもなくこれは白い雲が太陽光を地表に届く前に宇宙に反射しているからです。
ならば地表のこの白い部分を増やすことができれば、地球の温度を調整することが理論上は可能なはずです。つまり宇宙から見た地球を白くすれば太陽光が宇宙に反射され、地球温暖化が防止できるのではないかと考えたわけです。
 ただその方法となると、それはとんでもなく難しいものであります。地球の7割を占める海を白くするのが中では現実的かと考えましたが、それでもどうやればいいのか、具体的な方法があるのかは見当もつきません。また、もし実現できたとしても、それによってどんな影響がでるかもわかりませんし、その調整がコントロール可能なのかもわかりませんでした。
少なくても私の頭では解決不可能なので、この海を白くする方法はすぐに諦めました。その代わりに地球に日傘をさす思考実験に切り替えました。地球のすぐ内側の軌道の太陽との間に大きな反射板を浮遊させるものです。ちょうど人工的な雲を作り出すようなイメージです。これも、実現できるならば理論上は地球温暖化対策になるはずです。
 しかし、そんな日傘を作るための物資を宇宙に運ぶためには凄まじいエネルギーが必要で、そのエネルギーはますます地球温暖化を加速させるでしょう。また、そのための予算も膨大となります。この案は地球を白くするより非現実のように思えるので、より現実的な方法の思考実験に方向転換することにしました。

リンク『空調服を生み出した市ヶ谷弘司の思考実験』より

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